若御子山のふもとに建つ岩松山(がんしょうざん)清雲寺には約30本の桜の木が植えられています。その中でもひときわ目を引くのが文安3年(1446年)清雲寺創建の折、楳峯香禅師(ばいほうきょうぜんじ)が植えたと伝えられる樹齢約600年のしだれ桜です。満開の頃には薄桃色と紅色で境内が見事に染まります。
エドヒガン桜と秩父紅しだれ桜の開花の時期が1週間ほどずれているため長い期間楽しめることでも評判です。
秩父札所29番寺の山門に古木のしだれ桜があります。毎年美しく咲いていたが、だんだん前方の杉が大きくなって日陰となり花が咲かなくなりました。その時、浦山ダムの建設工事が始まり、この杉が伐採されました。それからは美しい花を咲かすようになりました。「よみがえりの一本桜」と呼ばれます。
昌福寺には10本ほどの桜があり、その内の半分はしだれ桜が植えられています。清雲寺から里道を移動し、徒歩で約20分の田園風景を楽しみながら散策できます。
昌福寺の桜は、清雲寺の桜より5日ほど遅れて開花します。昌福寺は清雲寺より標高差20mほど高く、山の斜面にあるので、眺めも抜群です。