秩父三十四ヶ所の観音霊場(秩父郡市4市町村)は、西国三十三ヶ所、坂東三十三ヶ所と共に日本百番観音に数えられています。
秩父札所のおこりは遠く文暦元年(1,234)甲午三月十八日開創と伝えられ、長享二年(1,488)の札所番付(札所三十二番寺蔵)が実在する事から、すでに室町時代末期には秩父札所があったと考えられ、江戸時代になると観音信仰は庶民の心の支えとして流布し、隆盛をみるようになりました。
秩父巡礼は、一番四萬部寺から三十四番水潜寺まで静寂な山村と美しい自然の風光を背景に一巡約100kmほどあります。この間、ある時は谷をわたり、山路をたどり、野づらを横切っての巡拝は秩父ならではのものでしょう。
素朴な風土に培われた秩父札所霊場の観音様は多くの人々から親しまれ、幸せを祈る人々や救いを求める人々に、やすらぎと後利益を与えたまうでしょう。
平成26年(2014)は、日本百番観音秩父34ヶ所観音霊場の午歳総開帳の年にあたります。
午歳に観音霊場の御開帳を行うのは馬が観音様の眷属(けんぞく)であることから午歳に行われたと言われ、また秩父観音霊場の創建が文暦元年甲午(きのえうま)歳と伝えられるところから、午歳に総開帳したとも言われています。
古くは60年に一度行われていた総開帳を江戸時代にいたり、全国からの三愛社の増加にともないたびたび行われ、現在は12年に一度の午歳総開帳を行っています。
普段は、秘仏としてお厨子(ずし)の扉は閉じられています。総開帳では、このご本尊様のお厨子の扉が開かれ、観音様の慈顔を親しく拝することができます。お厨子の扉を開くところから「開帳」といいます。元禄時代より江戸への出開帳をしたことが、秩父観音霊場を全国に広めることに役立ってきました。全国から心の安らぎを求めて、多くの参拝客が訪れています。12年に一度の午歳総開帳にあたり、多くの方々が観音様の御慈悲にふれることをおすすめします。
秩父郡市各所の札所に用意してあります。団体様は、秩父札所連合会謹製の納経帳が便利です。
詳しくは以下の札所へお問い合わせください。